愛情いっぱいの泣き笑い子育てエピソードに、共感したり、思わず涙してしまう、などファンの多い辻元舞ちゃんのブログがVERY誌面に登場。もちろん、イラストも舞ちゃんの描き下ろしです。

※本記事は過去掲載記事を元に再編成したものです。掲載中の情報は誌面掲載時のもので、変更になっている場合がございます。

辻元舞の
「自分ファースト」でいこう！

　 VOL.08 　

❝壮絶な授乳の記憶❞

長男はほぼ完母で育ちましたが、次男はほぼミルクで育ちました。次男を妊娠中から長男の赤ちゃん返りがすごかったこともあり、次男が生まれてからはミルクは夫が担当し、その間私は長男との時間を過ごしていました。私がおっぱいをあげている姿はほとんど見たことがなく、記憶にも残っていなかったようです。最近になって、テレビで授乳シーンを見た長男が「これってなにやってるの？」と言っているのを見て気がつきました。

長男、赤ちゃんが口にするのは哺乳瓶のミルクだけだと思っている…！

赤ちゃんが生まれたら、赤ちゃんを育てるための栄養がおっぱいから出るようになるんだよ、と説明し、泣いたらおっぱい、寝るときもおっぱい、卒乳するまでの壮絶な期間、おっぱいを思い出させないためにママは1カ月間服を着たままお風呂に入ったんだよ、と色々な思い出話をしました。

それでもピンとこない長男。

赤ちゃんの頃の写真を一緒に見返していると、あの頃の記憶が蘇ってきて私はうるうる。お互い生まれて初めての、分娩台での授乳。赤ちゃんの吸う力があんなに力強いとは思わずびっくりしたな。血豆が破れて瘡蓋になり、授乳で剝がれ…を繰り返してリニューアルオープンした乳首はもう無敵だったな。長男のアクロバティック飲みに合わせて柔軟に対応する乳首。人間の体はこんなにも変化するのかと驚いたものです（笑）。

卒乳するときは、こちらの都合とはいえ、この光景が見られないとなるとやっぱり寂しくて。最後の授乳を半泣きでしているところを撮っておきました。その動画を見ながら、こんなに小さかったんだな、フニャフニャして可愛いな。この頃の長男また抱っこしたいな…と思い出して涙ぐんでいたら、一緒に見ていた長男が一言。

「うそつき！！！」…？

なんのことかと思ったら、「ママのおっぱいはこんなにおっきくない‼」と。おおおおーーーーーい！　まあね。そりゃあね。自分でもびっくりだよ（笑）。横で夫も爆笑。胸は血管が浮き出るぐらいカチカチになって痛いし、肩はパンパンに凝るし、薬もお酒も飲めないし、はやく卒乳したい！と思っていたけど。

今となっては全てが愛おしくて幸せな時間でした。あの頃とは程遠いおっぱいも、ここまで大きくなったあなたも、私はとても誇らしいよ！

文・イラスト／辻元 舞　編集／フォレスト・ガンプJr.
＊VERY2021年12月号「辻元 舞の「自分ファースト」でいこう！」より。
＊掲載中の情報は誌面掲載時のものです。