【連載】神山まりあの「笑うママには福来る。」Vol.28
「今日は僕の誕生日」
少し前になりますが、私、2月17日で34歳になりました。
家族や友達、お仕事の仲間に祝っていただいて本当に幸せな日でした。
さて、これはそんな幸せ絶頂の日の夜の話。
ディーンの涙がクスッと笑えたのでシェアしちゃおうっと。
お誕生日の朝、目覚めたら息子と夫が2人で誕生日の歌を歌ってくれて、コーヒーを淹れてくれた。
朝から撮影だったので、ゆっくりはできなかったけどその優しさが嬉しかった。
早めに撮影が終わったので、ゆっくり。
ディーンもお迎えのときにワクワクした様子。学校の先生にまで「Happy birthday!」って言われた。どうやら学校でみんなに今日はマミーのバースデーだと言ったらしい。
家族でお祝いのディナーは幸せで、穏やかで、お酒も美味しかった。
プレゼントをもらったり、お花をもらったり、ケーキに名前が書いてあったり、歌を歌ってもらったり。ニコニコが止まらない夜はあっという間に時間が過ぎ、もう寝る時間。
寝る支度を済ませ、鼻歌を歌いながら歯を磨いているとベッドの上でうずくまっているディーンが見えた。
顔を枕に埋めて、ピクリとも動いていない。寝る前はベッドで大はしゃぎのディーンがこんなに静かなんて…と心配になり「大丈夫?」と体を揺すった。
すると、顔を上げたディーンはお目目がまっかっか。
私を見るなり、顔を歪ませて「ふえええええええん」と声をあげて泣き始めた。
何どうしたの!?と慌てると、大泣きしながら答えた。
「ディーンのバースデーはどこおおおお。マミーのバースデーばっかりずるいいいい。じゅんばんなのに、ディーン並んでたのに、マミーのバースデーしかしなかったあ」
どうやら自分の誕生日のお祝いをして欲しかったようだ。君のバースデーは7月だ。
思い返してみれば、歌を歌う時も、ケーキを食べる時も、プレゼントをもらう時も、ずっと私の隣にピッタリくっついていたディーン。
列に並んで『じゅんばん』を待っていたのだ。
きっと、列に並んでいれば次は自分が歌ってもらえる、ケーキに自分の名前が書いてあるとワクワクしていたに違いない。
その気持ちを考えるとすごく切なくなった。
今日はね、マミーのお誕生日だったの。
ディーンのお誕生日は夏になったらくるよ。
ちゃんと順番待っていたから次はディーンの番だね。その日を楽しみにしていようね。
説得するも半べそ状態のディーンは私に聞いた。
「あと何回寝んねしてウェイクアップしたら?」
えっと、、あと、、150回くらい。
答えた瞬間に、「おそいいいいいいい」と言いながらもう一度泣き始めた。
大人からしたら数カ月なんて一瞬なのに、子供にとっては永遠に感じるんだろうな。
泣きながら寝たディーン。
次の日にはパンパンの目でケロッとしていたけど、そこから毎晩「あと何日?」が続いている。
子供って本当に面白くって愛おしい。
◉神山まりあ
1987年2月17日生まれ。2011年ミス・ユニバース ジャパングランプリ。2016年ディーンくんを出産。2018年妊娠、出産、初めての育児を綴った著書『神山まりあのガハハ育児語録』(光文社)を刊行。インスタグラム@mariakamiyama。
イラスト/Apricots Art 編集/湯本紘子
*VERY2021年6月号「神山まりあの笑うママには福来る。」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。