VERY November 2020
VERY NAVY

VERY

November 2020

2020年10月7日発売

780円(税込)

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青山祐子ブログ「考える力」

 

毎朝8時、学校から貸し出された3台のiPadから先生達の声が響きます。

上3人の子供の新学期が、8月中旬からオンラインで始まりました。

休憩をこまめにはさみながら午後3時まで続きます。

時間割に合わせてそれぞれの先生とビデオ通話(Zoom)をつなぎ、

学習を手伝うために、私は3人の教室を行ったり来たり。

5歳の次男はすぐに遊び始めてしまうので、

科目によって場所を変え、気分を変えながら参加させます。

 

 

学校が貸し出した教材を使って

 

 

”Show & Tell” 自分で作った作品を紹介し、皆からの質問に答える

 

ゲーム教材やアニメーションを使ったり、

Ipadで音声付きの本を作ったり、曲を作ったり。

授業には、オンラインならではの工夫が盛り込まれています。

7歳の長女は、算数の宿題で、

「Hi 先生!私はこの問題こう考えました…私の考えを聞いて楽しんでくれてありがとう!」とYoutuberのようなノリで回答を収録し送信しました。

 

水泳の授業です‼︎

 

 

 

中国語は乗り物に乗りながら

 

日本のような教科書はなく、

私の小学生の頃とは全く違う学習の進め方に驚くこともあります。

“l agree with you, because…”(私は賛成。なぜなら・・・)

“I disagree with you, because…”(私は反対。なぜなら・・・)

意見をぶつけ合う子供たちの声が聞こえてきます。

人の意見を聞き、自分はどう考え、なぜそう思うかを伝える。

ディベートのようなことを実践しています。

といっても日本でいうとまだ小学1年と3年生。

政治や社会について議論するのではなく、本をもとに様々な考えを語り合います。

例えば、主人公ハリネズミくんの物語で、彼の行動や、物語がどう展開していくのか。

先生は議論が活発になるよう、発言のきっかけとなるフレーズを与えます。

「賛成。さらに、こんな考えも付け加えたい。」

「反対。僕はこう考える。なぜなら。」

よくわからない時には、「もう少し詳しく話して。」

「どうしてその考えが浮かんだの?」

「あなたの考えを聞いて、私はこう考えた」

「最初はこう思ったけど、今はこう感じる」など。

子供たちは先生が提示した表現を使いながら、

相手の考えを理解し、自分の考えを伝えていきます。

日本人が苦手と言われるディベート能力、交渉力につながる基礎が小さな頃から育まれているのです。

 

先日、教育社会学者の舞田敏彦氏が

中学生の授業で、「批判的思考を促すことがどれだけあるか」を見ると

日本は世界の中でも圧倒的に少ないというデータを紹介しました。

(OECDの国際教員調査「TALIS2018」が世界の中学校教員を対象に行った調査まとめ)

暗記中心の勉強をしてきた私は、歴史や政治を学んでも議論することはなく、

社会問題について語り合うこともありませんでした。

世界ではどんな授業が行われているのでしょう。

 

子供が通う学校の校長先生は、目指す教育について、

「AIがさらに進化し、子供達が大人になる頃には、今存在する仕事の半分以上はなくなっているでしょう。私たちはそれに備える教育が必要だと考えている。」と語りました。

答えを教える教育ではなく、考えさせる教育を実践していると。

 

人種も育ちも価値観も違う友達と活発にディスカッションし、

様々な意見を聞き、違いを理解することで自分の考えを形成し、自分の意見を伝える。

社会に出た時にとても重要となる、考える力を育んでいるのだなと感心しました。

 

さて、今月末からようやく、学校での授業が再開されます。

友達と直接触れ合い、もまれる中で、たくましく成長して欲しいと願います。

 

 

 

キスが釣れました。天ぷらが美味でした!

青山 祐子YUKO AOYAMA

青山祐子 筑波大学卒業後、NHKに入局。長野、トリノ、ソルトレークシティー、北京、バンクーバーオリンピック現地キャスター、2008年4月~2011年4月 NHK「ニュースウォッチ9」メインキャスター、NHK「スタジオパークからこんにちは」司会など、スポーツからトーク番組、ニュースキャスターなどさまざまに活躍し、2019年に退職。2020年よりフリーに。プライベートでは4児の母で香港在住

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