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品川裕香さん しながわ・ゆか
ジャーナリスト、子ども・若者を巡る教育・社会問題を異文化理解・予防的観点から取材。著書に『心からのごめんなさいへ~一人ひとりの個性に合わせた教育を導入した少年院の挑戦』(中央法規法規出版)など。本誌にて「学校ソムリエ」連載中。
2009年6月のQ&A
2009.06.19
娘の同級生のママの偏った発言に困っています。子どもに差別意識を植え付けそうてしまいそうで......。
娘は今年、名門といわれる私立小学校に偶然入学できたのですが、同級生のお子さんのママに困っています。その方は、ご自身もこの学校の卒業生でおられるからか、何かにつけて「この小学校に通わせる以上、母親は○○でないとダメ」「この小学校の生徒ということは選ばれた存在なのだから、○○しないとダメ」とおっしゃいます。そして、少しでも彼女の考えとは違う言動を取るママたちのことをあからさまに批判するのです。それが、社会通念に則ったものならばそれほど気にもならないのですが、この学校以外の出身者を見下すような発言を子どもたちの前ですることも多く、子どもに差別意識を植え付けるような気がして私はいやなのです。しかも、私は働いているのですが、そのこと自体批判の対象です。娘のことを思うと下手なことも言えず、正直、途方に暮れています。(マリコちゃんママ 31歳 東京都)

 マリコちゃんママに伺ったところ、かなり追いつめられているご様子。その方は「ママが働くことは子どもの心身の成長や脳の発達によくない」というようなことをほかの子どもさんの前でおっしゃったりもされるそうで、働くママたちは四面楚歌とのこと。
 大事なことはマリコちゃんがママのことを否定的に受け止めないようにすることです。そのためには、働くとはどういうことか、どんな仕事であれ社会に貢献するということは大切なことであり喜びがあること等、教えてあげてください。
 そのときに、働くママ=偉い、働かないママ=偉くないなどというような二項対立に持ち込んではいけません。それは事実と違いますし、そういうふうに子どもが受け止めてしまっては、その同級生ママの発言と変わらなくなってしまうからです。女性には多様な生き方があること、外でたくさん働くママもいるし、ちょっとだけ働くママもいるし、外で働かないけれど家の中で働くママもいる、働かないように見えても家の中にいるママも家事という大事な仕事をしている、どのママもみんな頑張っていてみんな偉い、ということを教えてあげてください。
 それから、他者を見下すような発言を子どもの前でするとのことですが、その点についてはご家庭で今一度ルールを確認し、「よその保護者がなんと言おうと我が家ではこう考える」ということをマリコちゃんにしっかりと伝え、それを徹底してください。
 この件で、働かないママの子どもたちからいじめられたりするかもしれませんので、学校側にはそれとなく事情を説明し、子どもたちへの集団指導をお願いしてみるといいでしょう。

2009.06.05
娘の前で夫婦喧嘩をしたときは、後で理由を説明しますが、心の傷にならないか心配です。
お恥ずかしい話なのですが、我が家は激しい夫婦喧嘩が絶えません。もちろん理由はあるので、意味のない諍いをしているわけではないのですが......。それでもつい小学校1年の娘の見ている前で大喧嘩になってしまい、最後は娘が泣いて私たちがはっと気がついてやめるということが続いています。娘には、私からも主人からも「ごめんなさい」と謝り、ケンカになったいきさつを丁寧に説明し、お互い憎しみ合っているわけではないと説明しています。ですが、これが娘の心の傷になるのでは、と心配です。(リナちゃんママ 32歳 大阪府)
 リナちゃんママによれば、激しくケンカをしたあとは、なぜケンカになったのか、お互い相手を嫌いでケンカしているわけではない、でもあなたの前でケンカしたことは悪かった等必ず言葉にして謝るのだそうです。
 確かに、夫婦喧嘩は子どもの前ではしないのが理想でしょう。でも、そうはいってもなかなか理想通りになどいきませんし、本当は険悪なのに子どもの前では仲のよい夫婦を装うことも無意味です。子どもは見抜きますから。
 とすると、望ましいことは、やはりリナちゃんママたちがやっておられるように「なぜそうなったか」「好き嫌いとは関係ない」ということを具体的な言葉で丁寧に説明することでしょう。1年生だから親の事情などわからない、などということはありません。5歳の子は5歳の子なりに、7歳の子は7歳の子なりに理解します。大事なことは事実を隠そうとか、相手が子どもだと思って適当にごまかしたりしないことです。 
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