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品川裕香さん しながわ・ゆか
ジャーナリスト、子ども・若者を巡る教育・社会問題を異文化理解・予防的観点から取材。著書に『心からのごめんなさいへ~一人ひとりの個性に合わせた教育を導入した少年院の挑戦』(中央法規法規出版)など。本誌にて「学校ソムリエ」連載中。
2009年10月のQ&A
2009.10.30
小学2年生の娘が最近とても攻撃的で、まるで別人のよう。これって何が原因なのでしょうか?
小学2年生の娘が最近、攻撃的になって困っています。小学校入学前までお友達とケンカなどしたことがなかった子で、人が多いところは苦手だし、どちらかといえば危険回避型というかいつも遠くからみんなのことを眺めているような子でした。それが、受験して大学付属小学校に入ってから、まるで性格が変わったのではないかと思うくらい別人になってしまって......。人の話は聞かない、誰かが話をしていたら最後まで聞かずに違う話をし始める、注意すると激しく反発する......と正直、親としても戸惑うことばかりです。嫌なことでもあったのかと聞いても「なんでもない!」と怒鳴り返してきます。8歳の反抗期、と考えて様子を見ているのですが......。(アサちゃんママ 33歳 愛知県)
 子どもの様子が急に変わるとき、考えられる要因はいくつかあります。たとえば①環境(幼稚園から小学校に上がる、クラス替え、引っ越し・転校など)②家庭(両親の不仲、弟妹が生まれる、介護、リストラなど)③病気(内科系、神経科系など)などですが、子どもに「どうしたの?」と聞いてもなかなか明確な答えは返ってこない可能性も高いでしょう。そういうときは、まず反抗前後の記録をつけてみるといいでしょう。反抗の前に誰が何を言ったりやったりしたか、感覚的な課題(視覚情報をしっかり理解できているか、聴覚情報はどうかなど)はないかなどを観察してください。
 さて、本件ですがアサちゃんママに話を多角的に伺ってみたところ、お風呂に入っているときにポロッと「お友達のことを我慢している」と言ったことが判明。その言葉をきっかけにいろいろとアサちゃんに聞いてみると「クラスメートの子が休み時間に消しゴムの端を折る、やめてと言うと謝るどころか"先生に言っちゃダメ"と言う、その子が授業中に黒板に何か書いて戻るときにアサちゃんの鉛筆を毎回わざと落とすなどする」ということがわかってきました。我慢しないで先生に言ってみたら、と言うと「告げ口になるから言いたくない」とのことでした。くだんの少女は成績もよく、大人から見たら「なぜあの子が?」というような子で、本人の親の前でもいい子なのだそう。相手の保護者に伝えたところでわかってもらえるとは思えない、とアサちゃんママも悩みます。
 では、どうするか。まず、その同級生の一連の行為を記録して、それらがアサちゃんにストレスを与えていることを学校側に冷静に伝えてみてください。それを受けて学校側がどういう指導をするか、です。一方、アサちゃんには、嫌なことをされたときにどう対応したらいいか、ストレスの処理の仕方を教え、いつでもどこでもできるように家で練習するといいでしょう。たとえば「やめて」とすぐに言う、相手のどういう言動がどうイヤか言葉にして伝える、相手からできるだけ距離を取るなどですが、本人と話し合って「どうしたらいいと思う?」と自分で決めさせることがポイントです。
2009.10.15
夫婦の問題や子育てのストレスで、幼い長女に当たってしまい......こんな自分が嫌になります。
現在、私は29歳。39歳の主人と長女(来年小学生)、次女(年少)、長男(5カ月)の5人家族です。次女が生まれて間もないとき、主人との問題や子育てなど思いどおりにいかない毎日にイライラし、2歳で何もできない長女に当たってしまいました。当初、主人にイライラをぶつけたくてもできない関係でしたので、まるで見せしめのように、主人の前で長女を怒りました。徐々に怒り方も激しくなり、手を出したことも。3歳だった長女にしりとりを教えながら、答えられない娘にげんこつで強く頭を叩いたこともあります。手を出した自分が申し訳なくてそのときのことが頭から離れません。主人の見ていないところでは、今も、イライラすると手が出てしまいます。こんな長女が思春期や反抗期を迎えたとき、自分が対応できるかとても不安です。次女も心配です。思い起こすと私が毎日使っている言葉は「やめなさい」「うるさい」「あっちに行きなさい」ばかり。こんな自分が本当に嫌になります。今後どのように子育てをしていったらいいか心配です。(シオリちゃんママ 34歳 神奈川県)

 長くて深刻なお便りを頂戴しました。シオリちゃんママの心配は「今後どのように子育てをしていったらいいか」ということですが、実は、ママ自身、ご自分の課題に気づいておられます。それは「2歳で何もできない長女に当たっていた」であり「見せしめのように、主人の前ではますます長女を怒るようになっていた」であり「今も、イライラすると手が出てしまう」......。つまり、シオリちゃんママが学ぶといいのは、「今後の子育て方法」よりも「自分のストレスの対処方法」なんです。
 ストレスの対処方法を学ぶためには、まず「何が自分のストレスの原因になっているか」を知る必要があります。夫との関係なのか、祖父母の発言なのか、子育てなのか、子どもの発育なのか。原因の次に探すのは、「自分自身がリラックスできる」方法です。深呼吸をする、買物をする、適度に運動する、友達とひたすら話をする等々、自分自身に合った方法を見つけるといいでしょう。
 そうやってまずは自分自身をリラックスさせながら、目の前のストレスの源を軽減させる方法を考えます。その場を離れる、悪い面ばかりではなくプラスの面をみて言語化する、などです。保護者側の態度が変わると、子どもの態度も変わりやすくなり、結果として子どもへの対応も変わってくるはずです。

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