私立学校の取材をしていると、名門と言われる学校の中にはこういう傾向があるところも少なくないという話をよく聞きます。両親だけでなく祖父母もその学校出身者だと、さらに地位が高くなるとか、夫の職業で母親や子どものクラス内の地位が決まるなど、学校によってもいろいろあるようです。
本誌連載でもご紹介しましたが、こういった親の行動が子どもたちに序列意識を与え、それが集団の中での上下関係を作り、いじめや不登校につながっていきやすいのです。子どもの健全育成を考えるのであれば、学校やPTA等が主導となってまずは保護者の意識改革から始めてほしいと、子どもを取材する私は考えます。
ですが、今すぐそれが望めないのであれば、やるべきことは2つ。
まず、お嬢さんに「弾力」をつけることです。いじめやいやがらせにいつ遭うかわからない以上、お嬢さん自身に生き抜くスキルをつけておかなければなりません。たとえば好きなものを見つける(バレエでもスポーツでも読書でも勉強でも、なんでもいいのです)、学校以外の居場所を作っておく(学校とは関係ない同世代の仲間がいるところ)、彼女自身の規範意識を高める、コミュニケーションスキルやコントロールスキルを高めるなどです。
それから母親としては、ほかのママグループとはできるだけ距離を置くこと。働いているのであれば仕事を理由に、働いていなければ介護などを理由に、グループに加わらなくても済む方法を探してみてください。
漢字が苦手という場合に、いくつかの理由が考えられます。
たとえば目の機能がどうか(両眼視できているか、寄り目ができるか、眼球運動はどうかなど)、視知覚はどうか、視覚的な記憶はどうか、目と手の協応はどうか、作業記憶はどうかなど「漢字を覚えるのが苦手」と一口にいっても、本当に「やる気」だけの問題なのか、大人は違う角度から見る必要があります。
上記のように多角的に見て、それらに問題がない場合にはじめて、ほかの可能性を考えられたほうがいいのではないかと思います。
また、学習スタイルが合っていない可能性もあります。
ひたすら書かせるだけで覚えない場合には、体を使ってみる(腕を動かし、大きく空中に書くなど)とか、音(たてたてよこよこ、など)にしてみるなど、ほかの学習スタイルを使ってみてはいかがでしょう?
それでも漢字が覚えられない場合、いま一度振り返ってみてください。ひらがなやカタカナはどうでしたか? 鏡文字は書きませんか? 基本的な文字(一とか火とか山とか)はなんとか覚えられたけれど、部首等が出てきて覚えられなくなったということは? その場合は、学校の先生に相談されるといいと思います。
視知覚の機能訓練については、偶然ですが、10月号で集中力の延長の話として紹介しましたので、よろしければ本誌連載をご参照ください。
思いつめた様子が伝わる、長いメールを頂戴しました。Mちゃんにお会いしていませんし学校や地域の具体的な状況も何もわからないのでお答えは難しいのですが......。以下、何かヒントにでもなれば幸いです。
Mちゃんの将来を見据え、どういうスキルが社会を生きていくうえで必要なのか考えてみてください。感情やものごとを言語化する力、基礎体力、対人関係力など、いろいろあると思います。それらを1ヵ月後、3ヵ月後、半年後と少しずつ段階を踏んで目標設定し実践していきます。その際、本人が自分の将来をイメージしながら、自立し社会の中で生きていくには何が必要か考え、書きだしていく(視覚化する)ことが大事です。たとえば、イラストレーターになりたいとする。絵を描くことが好き、だけではなれませんよね。ではどういう力が必要になってくるか......です。
ただ不登校期間が長いと自分の将来にビジョンが持てず、何一つ書けない場合もあるでしょう。そのときは焦らない、焦らない。その場合は体力作りを視野に入れた、具体的数値目標が立てられるような個人競技スポーツをぜひ。フルマラソン参加を目標にジョギングを始める、頂上目指してロッククライミングをやるなどです。それにガーデニングや農業など生活リズムを作りやすいものをプラスしてみてください。
さて、この場合、「強制してでも行かせたほうがいい」とか「子どもの自主性を重んじたほうがいい」と、簡単に答えは出せません。なぜなら、本誌連載でも繰り返しているように、教育とはあらゆる条件が有機的に絡み合って実践されていくものだからです。
お受験した私立学校になじめることができればいいけれど、すべての子どもがそうだと言うわけでもありません。実際、なじめなかったりいじめにあったりで辞めて公立学校に転校していくケース、あるいは結果的に不登校になってしまうケースも決して珍しくはないのです。同様に公立学校に行ったから教育がイマイチとも、絶対に言えません。
では、何ができるのか。
まずお子さんを両方の学校にいろんな場面で連れて行き、実際の状況を見せます。その後、両方の学校のプラス面マイナス面を公平公正に言葉で丁寧に説明します。その上でどっちの学校に行っても将来に向けて努力をするのは自分だということをよく理解させ、本人の意思を聞いてみてください。何歳でも、自分で考えて納得して決めたことについては子どもは子どもなりに覚悟して行動していきます。
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