「学校のソムリエ」が相談役 ママたちの保健室 本誌連載中の品川裕香さんが、
皆様の悩みにお答えします

今月の特集は
「自分をコントロールする力」

いじめる子が悪いのか、いじめられる子にも一因はあるのか。いじめ問題を取材をしていると「いじめられる側にも原因がある」と感じている人が実に多いことを痛感します。詳しくは9月号の連載をご覧ください。

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品川裕香さん しながわ・ゆか
ジャーナリスト、子ども・若者を巡る教育・社会問題を異文化理解・予防的観点から取材。最新著書は日頃の講演内容を収録した『LD・ADHD・アスペルガー症候群 気になる子がわくわく育つ授業』(小学館)。本誌にて「学校のソムリエ second season コドモノキモチ」連載中。
2010.08.19
幼稚園で病院を勧められるほど落ち着きのなかった娘は、小学3年になっても変わらず困っています。
娘は私立小学校に通う3年生ですが、本当に驚くほど親の言うことを聞きません。小さい時からじっとできないし、買いモノをしていても欲しいものを買ってもらえないと床に寝転がって泣き叫ぶし、気になるものがあったら後先考えずに飛びつきます。乳児のころからそういう状況で、幼稚園の先生には「ADHDではないか」「精神科に行ったほうがいいのでは」同じ幼稚園に通うお嬢さんたちがみんな大人しくていい子だったので、親としてずっと情けない思いを抱えてきました。小学校にあがってからは、注意すると「わかっているよ」と返事だけはいいのですが、実際は馬耳東風の極致。担任の先生の話では、学校では結構いい子のようで、「そんな様子は見られない」そう。でも家では変わらないわけですから、やはり医者に行くべきでしょうか?(34歳 リンカちゃんママ 兵庫県)

 実は最近、こういうご相談が増えています。つまり、「じっとできない」「人の話を聞いていない」「好きなことには集中するが、興味のないことには見向きもしない」「すぐに泣きわめくなどパニックになる」ような言動を取る子はADHD(注意欠陥・多動性障害)ではないか、というわけです。
 安易にそういう発言をする教育関係者や医療・福祉関係者には要注意です。なぜならADHDは一つの生活場面の状況だけから簡単に診断できるものではないからです。また、たとえADHDだったり、その傾向があるからといって、即「精神科に行け」とか「うちでは見られない」というのはナンセンスも甚だしい。なぜなら、ADHDだったりADHD的だったりすればなおのこそ、その子のニーズを踏まえた教育的指導が必須だからです。そもそも小さい子は多動で衝動的なものです。だからこそ、健全な人格形成のためには"5、6歳の時期に、自分を律することを学ぶ必要がある"と言われているわけです。
 リンカちゃんの場合、確かに家では大変なのでしょうが、学校ではそういう様子は見られないとのこと。ADHDの課題は場面に応じて対応できない点にあります。ならば、原因は別のところにありそうです。ご夫婦の仲、祖父母との関係、父親と母親の言うことが場面によって異なる、妹や弟との関係、いじめや虐待などの暴力との関係など、医療機関に行く前に、今一度、整理し直してみてはいかがでしょうか。

 

2010.07.13
小学1年の娘は、とにかくワガママ! これって、帰国子女であることと関係ありますか?
小学校1年の娘が親の言うことをまったく聞きません。赤ちゃんのときから思い通りにならないと大声で泣いたり叫んだり地団太を踏んだり。欲しいモノを買ってもらえないと床に寝ころんで泣きわめくこともありました。もちろん、「ダメなものはダメ」を貫きたいのですが、親のほうが根負けして「いい」というまで延々と泣き続けます。もともと成長は早く、8カ月で「マーマー」としゃべっていましたし、ハイハイするよりも早く歩きたいという様子で10カ月のときにはもう歩いていましたが、とにかく聞き分けがないので、夫婦であきれています。どうしたらいいのでしょうか? (兵庫県 メイちゃんママ 33歳)
 メイちゃんママにお尋ねしたところ、メイちゃんはフランス生まれで5歳のときに帰国したのだそうです。現地ではフランス人の子どもたちが通う幼稚園に通っていて、外ではフランス語、家庭では日本語という環境で育ちました。日本に戻ってきてからは、のびのびと育てることを目指した自由保育を掲げる幼稚園に入園。メイちゃんママの言葉を借りれば「ほとんど野放し状態」で楽しんでいたそうです。このころから、メイちゃんは「外ではいい子、家では全く親の言うことを聞かない子」だったそうですが、小学校に上がってもまったく状況が変わらないことをメイちゃんママは心配していました。
 可能性はいくつか考えられます。まず、帰国子女ゆえの問題です。フランス語も日本語も中途半端のまま帰国したわけですから、あらゆるところで混乱が起こっていると考えられます。たとえばメイちゃんがいる社会(学校ですね)のルールが違う。お友だちとの接し方が違う。遊びのルールが違う......。違うということは分かっているけれど、それにどう対応したらいいかわからない。まして、自分がイライラしている原因もわからないし、漠然とわかっていたとしてもうまく言葉にもできない......。
 これは言語が確立する前に海外にいた子どもたちによくみられるケースです。この場合、本誌の連載『学校のソムリエ 3rd seaon』にも書きましたが、まずは「語彙力を上げる」こと、それから「使える語彙を増やす」ことを目指しましょう。語彙を増やすには、絵本など本を読んで聞かせるのは一つの方法です。読み聞かせたときに、物語の感想ではなく、内容について質問してみてください。ここでの目的は①内容を理解しているか ②理解した内容を自分の言葉で言えるか ③聞いた言葉を使えるかです。
 二つめの可能性は、ADHD(注意欠陥・多動性障害)をはじめとする発達的な課題があるか、なにかほかの内疾患等があるか、という可能性です。これは専門医に診てもらわなければわからないことですから、気になる方は最寄りの大学病院の小児科や都道府県立の子ども医療センターなどにお問い合わせください。
2010.06.24
小学3年生の娘が「携帯がないといじめられる」と言っています。家の方針を変えた方がいいの?
私立小学校3年生の娘が携帯電話を欲しがります。同じクラスの中でも持っていない子のほうが少ないそうで、「携帯電話は絶対に必要」「持っていないといじめられる」と言い張ります。娘の登下校は私が送り迎えをしていることもあり、我が家では義務教育の間はキッズ携帯も持たせないと決めています。そのようにしょっちゅう言い聞かせているのですが、最近、娘は納得せず、家で荒れまくります。みんなも持っているし、持っていなければいじめられるのなら、勉強することなどを条件に携帯電話を持つのを許すべきでしょうか? (リカちゃんママ 35歳 東京都)
 みんなが持っているから持たせる」というのは、家庭で決めたルールを守るという観点からすると逸脱することになり賛成できません。もしお嬢さんがもう少し大きくなって「みんなと一緒に夜遊びしないといじめられる」などと言ってきたら、許しますか? 携帯電話と夜遊びは違う、とおっしゃるなら、その線引きはどこで引きますか? 
 また「勉強するなら携帯電話を持たせてあげる」など、保護者側が子どもと取引をするのは反社会的な行動を取るリスクを上げることになりますから、やはり賛成できかねます。
 大事なことは、家庭で決めたルールを大人は譲らないことです。そのとき、母親はダメだというけれど父親はOKする、両親はダメだと言うけれど祖父母はOKするなど家庭内の大人の間で言動の統一が取れてないと子どもにはルールは入りません。つまり、大人側に決めたことは徹底する強さが求められます。
 そのためにも、最初にルールを決めるときにメタ・ルール(ルールを支配するルール)を決めておくといいでしょう。たとえば、リカちゃんのような場合なら「携帯電話は大人が送り迎えできないときにのみ持たせる」などです。子どもの言い分に妥協する形でルールを破ってしまうことは、子ども自身が将来的に不利益をこうむることにつながります。
 ちなみに、子どもは材料としていじめを持ち出してきますし、実際にいじめられることもあるかもしれません。ですが、これについては別の観点が必要です。本誌でも紹介していきますが、いじめなど逆境に強い子どもに育てることのほうが、社会を生き抜く力に直結し、将来の自立や社会参加を踏まえるとプラスになります。
2010.06.14
4歳の息子は感情の起伏が激しく、興奮のあまり泡を吹いて気絶したことも。これって病気?
4歳の息子は感情の起伏が激しく、思いどおりにならないと、ところかまわず床に転がって火がついたように大泣きしたり、過呼吸のようになったりしてパニックになります。ときには暴力的になって、他人にはしませんが私のことを殴ったり蹴ったりすることもあります。2歳半のとき、そういう状態になり白目をむいて泡を吹いて気絶したこともありました。幼稚園の先生にはADHD(注意欠陥多動性障害)や自閉症ではないかと言われ、大変ショックを受けています。病院にはまだ行っていません。どうしたらいいでしょうか? (マモルくんママ 33歳 愛知県)
 マモルくんママに事情を伺いました。乳児のころからかんしゃくや夜泣きもひどく、育てにくい面があったそうです。偏食やこだわりなどが強いと思ったことはなく、幼稚園には元気に通い、お友達もたくさんいるし、みんなとも仲良く遊べているそうです。思いどおりにならなくても、幼稚園で泣き叫んだり、お友達に暴力をふるったり、白目を剥いて気絶したり、ということはこれまで一度もないそうです。
 最近、思いどおりにいかないと激しく泣いたり暴れたりする子どもに対して、ADHDや自閉症などの発達障害だと短絡的に考える教育者や保護者が増えているようですが、この判断は慎重にしてください。発達障害の診断は専門家でも難しく、典型的な状態像を示すからといって安易に障害として捉えることは絶対にNGです。まずはそういった状態像が起こってくる可能性を多角的に考え、いろいろな方向から検討することが必要です。
 マモルくんの場合、「白目をむいて泡を吹いて気絶した」点が気になりました。ADHDなどの機能不全を疑うまえに、まずは神経系の疾患等がないかを一度調べてみてください。
2010.05.24
小学2年の娘は性器を触る癖があり、学校の先生にも注意され本当に困っています......。
小学校2年生の娘が自慰行為をして、いくら注意してもやめません。幼稚園年中のころ痒みを訴えて掻いていたのがきっかけなのかもしれませんが、最近は授業中もずっと触っているそうで、先生にも繰り返し注意されているそうです。女の子ですし、今後のこともあるので「人前では我慢しなさい! どうしても我慢できなかったらトイレに行きなさい!」と言っているのですが「わかった」と言うのに、約束した次の日に「授業中に触ったけど、でも誰にも見られてないと思う」などと報告してきます。何度言ってもやめない娘に怒りが止まらず、口答えをされると手も上げてしまいます。これではいけないと思い、何度も優しく言い聞かせたり抱きしめたりしましたが変わりません。娘は「叱られている最中や暇になると性器のことばかり考えてしまう。考えたくないのに」と泣いて訴えます。何をどうしてあげればよいのか分かりません。私自身が精神科などにかかったほうがいいのかと悩んでいます。(のぞみちゃんママ 40歳 岐阜県)
  前回とは違う方ですが、問題が似ているので一緒に考えてみたいと思います。
 まず、前回同様、こちらの方もお嬢さんが性器を触ることに悩んでおられるのですが、前回の方がまだ触り始めであるのに対し、こちらの方は「すでに習慣化」しておられます。病気も教育も"早期発見・早期対応"が効果的であるのは言うまでもありませんが、問題を発見したときにすぐ指導することが大事です。これは、今回のような課題に限らず、いじめも不登校も学力不振も社会性の問題も、何にでもあてはまる原理原則だと取材を通じて痛感しています。
 さて、のぞみちゃんママは問題を二つに分けることが必要です。一つめは「のぞみちゃんが人前でもずっと性器を触ってしまって止まらない」こと、二つめはママ自身が「子どもに手を上げてしまう」ことです。
 一つめの課題については、前回の回答同様、まずは「しょっちゅう触ることは病気につながるので、本人のためによくない」と事実を踏まえて説明しましょう。「触ってはダメ」と怒ったり手を上げても、触ることがすでに習慣化してしまっているのであれば効果はないと私は考えます。それよりも、触ることは感染症につながること、感染症になると最悪、子どもができなくなったり、重大な病気になったりすることもあることなど、医学的な事実を踏まえて本人自身にリスクがあることを説明します。それから、ところかまわず触っていると誰が見ているかわからないので事件に巻き込まれる可能性がないとはいえず、これまた本人の命にかかわるリスクがあることを教えてください。と同時に、触りたくなったらどうするか本人自身に決めさせ、どうすればそれが実行できるか一緒に考えてあげてください。
 二つめの課題は、ママ自身の怒りのコントロールをどうするかということ。のぞみちゃんと話しているときはカーッとしやすくなることを自覚し、その瞬間がどういうときか体の変化を意識してみてください。その変化に気がつけるようになったら、ストレス回避のために自分ができること(アロマなどの匂いをかぐなど)を探してみて。それまでは、手を上げそうになった瞬間、ひとまずその場から離れるようにしてみるといいでしょう。
2010.05.14
癖になったら困るので、性器を触る娘に注意をしたいのですが、何て言ったら?
ここ数日、幼稚園年長の娘は気がつくと性器を触っています。女の子はそういうことをしてはいけない、と言っているのですが、なかなかやめません。このまま触り続けて、癖になったらどうしようと心配しています。どうしたらいいのでしょうか? (アスカちゃんママ 31歳 神奈川県)

 とても大事なご相談です。ありがとうございます。我が国では性教育はなかなかデリケートな問題になっていて、効果的な指導方法が確立しているわけではありません。性教育というとセックスの方法や避妊について教える教育だととらえている現場も少なくなく、一方で、教育現場や保護者の間ではいまだに「寝た子を起こすな」的な主張が根強いところも多く、子どもたち自身にとって実質的に意味のある教育がおこなわれているかどうか......。
 さて、ご相談の件です。こういうときに、「触ってはダメ」「女の子はそういうことをするものではない」だけでは不十分。とてもいい機会ですから、まずはセックスの教育ではなく性器の教育を。人間にはプライベートゾーンがあり、性器はその一つ。性器の役割にはじまり、性器は人に見せたり人前で触ったりする部位ではないこと、性器を汚れた手で触ると感染症になったり尿道炎を起こしたりするなど病気になることも教えましょう。
 そういった正しい情報とともに、「性器を触りたくなったらどうするか」代替行為を決めるといいでしょう。そうしたくなったら、その場でジャンプするなど代わりになりそうな望ましい行為をお子さんと相談して決めてください。タバコを吸いたくなったら禁煙パイポをくわえる、というようなことと同じです。

2010.04.27
ママたちとうまく付き合えず、娘まで仲間外れにされています。どうしたらいいのでしょうか?
有名私立幼稚園年長に通う娘がいます。娘には問題はないと思うのですが、私が幼稚園ママたちとうまく付き合えず、娘まで仲間はずれにされています。お誕生日会など大きなイベントのときには呼んでもらえるのですが、普段のちょっとした外出、たとえばみんなで遊園地やバーベキューに行くというようなときには一切誘ってもらえません。後からみんなで行ったことがわかると、娘も私も傷つき落ち込んでしまいます。私は小学校から大学まで全部公立で、幼稚園のママたちのような私立組の人たちとはしつけにしても教育にしても子どもの育て方全般において価値観があまり合いません。それでも仲良くしないと娘に被害が及ぶので頑張ってはいるのですが、何をやってもバカにされているのがわかって......どうしたらいいのでしょうか? (リョウコちゃんママ 33歳 東京都)

 ママ同士がうまく付き合えず、その影響が子どもたちに出て仲間はずれなどからいじめが始まってしまう......。残念ながら、こういった話は全国どこにでもある話です。いじめ予防という観点に立つならば、学校側が具体的にいじめ予防を踏まえた指導を子どもたちに行っていくのがいちばん効果的なのですが、現実的にはなかなかそういったことは行われず、当該児童と親だけが苦しんでしまうケースをたくさん取材してきました。
 ではリョウコちゃんママにできることはなんでしょうか? 原理原則は①子どもにいじめに負けない力をつける ②ほかの保護者との接点をできるだけ少なくする状況をママ自身がつくる、だと私は考えます。たとえば、①についてであれば、幼稚園以外のお友達が作れるような場(幼稚園のお友達があまりやらないようなお稽古事を始める。それも、異年齢の子どもたちが混じっているようなもので、自分で目標設定してそれを達成していけるようなお稽古事だとなおよい)を探してみてはどうでしょうか? 子どもの世界が家と幼稚園だけでは、こういう状況になると息が詰まります。お稽古事を通して、自分のことを理解し、目標達成することで自尊感情を上げていくのが狙いです。
 また②については、仕事を始めたり大学に通い直して勉強を始めたりするのはどうでしょうか? それも数年後こうしていたいという、あなた自身の人生設計をベースに何かを始めるのにはいい機会です。そうして、幼稚園ママたちと付き合いたくても付き合う時間がない状況を自分で作るのです。そのときに「私は仕事があるから付き合えないわ」などと言ってはダメですよ。人は人、ご自身のことに邁進すればいいだけです。

2010.04.13
アトピーの息子が欲しがらないよう「ファストフードは毒」と教えていたら、学校のお友達とケンカに!
私立小学校2年生の息子はアトピー性皮膚炎。小さいときは今よりももっとひどくかゆがり、母親としてできることはなんでもやりました。外出するたびに服は着替えさせ、掃除機も1日10回はかけています。試行錯誤の末、食事はすべてオーガニックにし、外食は一切しません。子どもがファストフードなどを食べたがっても「毒が入っている」と教えています。ところが最近、小学校で息子がファストフードを食べるほかのお子さんに「毒を食べているんだ」と言い、そのお子さんが殴りかかってきたのでケンカになってしまいました。うちの子は間違っていないのに、担任は「ケンカ両成敗」と言って息子のことも注意したそうです。息子は「学校に行きたくない」と言っています。先生に謝ってもらうまでは私も学校に行かせたくないのですが......。(ジュンくんママ 36歳 東京都)

 お子さんの発言がきっかけでケンカになり、先生から注意された結果、学校に行きたくないと言いだしている。親としても謝罪があるまで、学校に行かせたくないが、それがどうかということですね。課題がいくつか混在しています。スモールステップで考えてみましょう。
 まず、お子さんの発言について検討しましょう。
ファストフードなど外食品のなかに添加物が入っているものがあることは事実です。そして、オーガニックな食生活を送っておられるので添加物を排したいという事情も理解できます。ですが、添加物が本当に毒なら国が認めるわけはありませんよね。そこは比喩としておっしゃっておられるのでしょうけれど、息子さんは字義通りに受け取ってしまい、だからほかの子どもさんを正面から否定してしまいました。そうやって食生活を否定された子どもさんはどういう気持ちになったでしょうか? 少し考えればおわかりいただけることと思います。
ポイントは2つ、事実を正しく教えることと社会の実態を踏まえることです。「添加物は毒」は事実ではありません。ジュンくんママの場合、①アトピー性皮膚炎がひどかったことから我が家の食事は農薬や添加物をいっさい排除している②外食品のなかには農薬や添加物を使ったものもある③だから我が家では外食品は食べない、と説明しながら、④世の中の人すべてがそうするわけではなく、いろいろな人がいる ⑤多様な食生活の存在について否定しない、と伝えるといいと思います。
それから、子どもを学校に行かせたくない、ということですが、これは保護者が子どもの登校渋りを助長するようなもの。小学2年生の段階で登校渋りから不登校になってしまったら、のちのちお子さん自身が不利益をこうむります。この場合は望ましい指導とは言えません。 

2010.03.26
6歳の息子に"肥満ぎみ"との指摘が! 確かによく食べますが、運動もしているのに......。
6歳の息子のことで、幼稚園から「肥満ぎみだから痩せさせなさい」と言われました。食事には気をつけているつもりなので、なぜ肥満と言われるのかわかりません。もちろん、幼稚園でも理由を聞いたのですが、"間食が多いか、甘いものを取りすぎているかのはずで、このままだと子どもの成人病になる"と言われてしまって......。息子は確かに人の3倍食べるのに運動は嫌いで、家ではWiiばかりやっています。でもWiiも結構動くから運動しているようなものだと思うのですが......。夫や両親は「様子を見ればいい」と言っています。(ゴウタくんママ 29歳 京都府)

 子どもの肥満は、ここ数年、小児科医の間でもよく話題になります。私自身、幼稚園や保育園に行ってコロコロした子どもたちが増えたような気がして取材したことがありますが、幼稚園や保育園の先生たちの実感としても「太っている子が増えた」という印象だと聞きました。
 子どもの肥満の原因はいろいろと言われていますが、ファストフードやコンビニ弁当を食べる機会が多いこと、居酒屋などで大人用に作られている油っぽい肉料理などを食べる回数が増えたこと、お菓子が多様化して食事を取らずに間食を取ることのほうが多いこと、知らない間に取る糖分の量も増えていること、朝ご飯を食べず晩ご飯がヘビーなことなど、偏った食生活がまず挙げられます。
 それから夜型の子どもが増え、睡眠リズムが崩れていること。また運動量も減っていること。昔は日が沈むまで外をかけずり回っていた子どもが、今は深夜までテレビゲームやWiiをする時代。テレビゲームをするから夜型になり、外で遊ばないからエネルギーは消費せず、お菓子を食べる回数も増える、というわけです。
 そんな子どもの肥満を解消するために、絶食させる保護者も少なくありません。
ですが、大人と違って成長期の子どもに食事制限をすることは、その子の健全な成長を阻害する危険性がとても高いことを忘れないでください。ゴウタ君の場合は、どういう食生活を送っているのでしょう? まずはその記録を取るところから始めてはいかがでしょうか? それをもとに、何歳の子どもにどういう栄養素が必要か調べて、必須なものを摂取しながらまずは食生活を変えていくことを目指してください。と同時に、運動量を増やすことでテレビゲーム一辺倒で夜型の生活を徐々に変えて。一気に痩せようとしても、成長を阻害するなど大きな問題がのちのち出てくる危険性をくれぐれも念頭においていてください。

2010.03.08
最近、夜眠れず耳鳴りもひどい。食欲もなく、周りには「鬱」じゃないかと言われたのですが......。
現在、3歳半の長女と1歳の息子を育てている専業主婦です。もともと潔癖症なのがいけないのかもしれないのですが、最近、不眠症というか全く眠れなくて辛い日々です。耳鳴りもひどいし気力もなく、食欲もありません。動悸も激しく、急に汗が噴き出たりして息苦しくなります。ママ友には鬱病じゃないかと言われたのですが、病院に行く時間も余裕もありません。どうしたらいいのでしょう。(サエちゃん&ケンタくんママ 30歳 千葉県)

 それは本当にお辛いでしょうね。子育てだけで十分ストレスがたまり心身ともに疲れるのに、眠れないとか動悸がひどいというとますます身体の不安で状態がしんどくなることでしょう。
 最近、女性専用クリニックのなかに婦人科と精神科、内科などを併設しているところが増えてきました。こういうところは、場所によっては子ども連れでもOKなところもあります。まずはそういう病院に行き、精神科だけではなく婦人科も一緒にみてもらってください。鬱病だと思っても、実は婦人科系や内科系の病気の場合だということもありえます。自己判断せずに、ここはなんとか時間を作って病院に行ってみてください。子どもと一緒に行ける病院がない場合は、自治体の福祉課などに相談すると一時的に預かってくれる人や場所を紹介してくれることもあります。

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