Yoshiko Kris‐Webb Official Blog [クリス‐ウェブ 佳子 オフィシャルブログ]

Agadir in Morocco with Kérastase

Antoine Guillard Agadir.jpg

モロッコ南西部の街アガディールから、アルガンオイル搾油工場へマイクロバスで移動。

Sound Enjinner : Antoine Guillard

Samantha Wennerstorm and Marie-Laure Daillut Agadir.jpg

飲み込まれそうなほどの大自然に度々停車

Samantha Wennerstrom (R) & Marie-Laure Daillut (L)

Agadir Landscape 1.jpg

乾いた空気が吹き抜ける荒涼とした砂漠地帯

Argan Trees Agadir.jpg

モロッコ南西部の砂漠地帯とサハラ砂漠周辺のみに2000万本ほど自生するアルガンツリーは、別名「モロッコの黄金」と呼ばれ、大切な資源であるとともに、砂漠化の進行も防ぎます。アルガンツリーが深く根をはることで土壌の保水力が高まり、豊かな大地を育むのです。

Mai Hua Agadir.jpg

今回の旅をフィルミングするFilm ProducerのMai Hua 

Goats on the trees Agadir.jpg

樹齢150年〜200年のアルガンツリーに登り、葉や実を食べるのは放牧されたヤギたち。ヤギたちが食べるのは果肉だけで、アルガンオイルの原材料となる種子を含む種は地面に吐き出します。古来、ベルベル人たちはヤギが吐き出した種を拾い集めてアルガンオイルを採油していましたが、そうして採油されたアルガンオイルは獣臭がするため、今では主に自然落下した実だけを使っています。

Little Village Banana Plantation Agadir.jpg

モロッコのバナナ生産量は世界水準で35/116位。バナナプランテーションを過ぎた先にある小さな町では、バナナが至る所で販売されていました。1本20円から買える露店も。

Men in The Village Agadir.jpg

道端でバナナを量り売りする商人。ここでは時間がゆっくりと流れています。

Bananas on the bus Agadir.jpg旅路のおやつに小ぶりで甘いバナナを一房購入。

Pick-Up Truck at The Cooperative.jpgモロッコ南西部のアガディール中心地から車で走ること85km。アンスアーヌの小さな村、AKHSMOUにあるアルガンオイル搾油工場協同組合、Toudarte Cooperative(トゥーダルテ コーポラティブ)に到着。この協同組合は女性の社会的・経済的自立を目的に、2004年に2人のベルベル人女性によって設立されました。現在では10代後半〜80代後半のベルベル人女性およそ100人が働いています。

The Cooperative Aura Botanica Argan Oil.jpgアルガンオイルを搾油する女性だけの協同組合がモロッコに発足し始めたのは90年代半ば。当初は女性の社会的自立を快く思わない男性たちの同意を得ることが難かったそうです。しかし今では、女性たちが利益や更なる雇用を創出するのみならず、地域全体の活性化にも繋がる活動をしているとして、地元男性からも積極的に協力を得られるようになりました。現にここトゥーダルテ コーポラティブでも、数人の男性が女性には負担の大きい力仕事を担っていました。

Argan Oil Nuts Bread Lunch at The Cooporative.jpg

ウェルカムドリンクとスナック。搾りたてのアルガンオイルと挽きたてのアルガンペースト、採取されたばかりのタイムハニーとオリーブオイルにピタパンの軽いランチ。アルガンオイルにはオリーブオイルの約3倍ものビタミンE、オレイン酸、必須脂肪酸が含まれています。

Lunch at The Cooperative Agadir.jpg

今回の旅仲間、フランス語と英語がごちゃ混ぜです。

Marie-Laure Deillut, Samantha Wennerstrom, Jamie Beck (R - L)

Ladies at The Cooperative.jpg

トゥーダルテ コーポラティブに自生するアルガンツリーから自然落下した実を拾う女性たち。色鮮やかなドレスとスカーフで着飾っています。お洒落にも興味津々で、私の着ていた衣服や靴を褒めてくれました。

Argan Tree kernels.jpg

手で一粒一粒拾われたアルガンの実は天日で十分に乾燥させます。

Fatime Ihihi The President Cooperative Toudarte.jpg

トゥーダルテ コーポラティブの設立者の一人でありCEOのファティマ・イヒヒさん。2000年に大学を卒業したファティマさんは、出身地AKHSMOUに戻り、地元の女性に読み書きを教えようと試みましたが、格段に女性の地位が低かったこともあり、多くの人に反対されました。その後も数ヶ月に渡って説得にあたり、父からの出資と29名の女性の賛同を得て、2004年に小さな協同組合トゥーダルテ コーポラティブを設立。たった一人の女性の行動によって、地元の村に女性の雇用が創出され、女性の尊厳が守られたのでした。

On Fatima's Hands.jpg

乾燥前のアルガンツリーの実は、別名「人生の実」と呼ばれています。約35kgの実からアルガンオイルの原材料である種子1kgが採取されます。そして約2kgの種子からアルガンオイル1リットルが採油できます。アルガンツリー1本から年間採取できる実は約70kg。つまりアルガンツリー1本から年間採油できるアルガンオイルは1リットルだけ。アルガンオイルはとても貴重で高価なのです。

Exploitation Machine.jpg乾燥させたアルガンの実から果肉と殻を機械で取り除き、堅果だけにします。機械の導入が本格的に始まったのは2007年。モロッコ政府から寄付金を得たおかげで、トゥーダルテ コーポラティブの設備は格段に整いました。

A Lot of Argan Tree Kernels .jpg

どんぐりのようなのが堅果。取り除かれた果肉は家畜の飼料として、殻は燃料として再利用されます。全て無駄なく。

アルガンのみから取り除いた果肉、殻、堅果を手作業で選別する女性たち。時々歌を歌いながら作業をしていました。CEOのファティマが私の耳元で言いました。「あなたたちの訪問をみんな心から歓迎しているわ。彼女たちは働くことに誇りを持っているの。だからそんな姿をあなたたちが世界に発信してくれることに、彼女たちはとても興奮しているのよ」って。

Cracking Kernels .jpg

堅果から種子を取り出す作業は全て手作業で行われます。石台の上に堅果を乗せ、卵サイズの丸い石で叩き割ります。熟練した技が必要なこの作業。15分ほど体験してみましたが、左の指を何度か叩き砕きそうになるのがオチでした。種子2kgを取り出すのが1人当たりの1日の仕事量

Woman at The Cooperative.jpg

叩き割った堅果から皮と種子のみを選別するのも手作業。

Samantha at The Cooperative.jpg

COOPERATIVE TOUDARTEの見学者用ジャケット。

Filming at The Cooperative.jpg

サウンドエンジニアのAntoine Guillard、フィルムプロデューサーのMai Hua、そしてトゥーダルテ コーポラティブのCEOで設立者のFatima Ihihi。

Argan Stick after Cold Press.jpg堅果の皮を低温圧縮した左のスティックは家畜の飼料に回されます。右の白っぽいスティックは種子を低温圧縮したもの。 

成分を壊さぬよう冷圧搾方法(コールドプレス)でゆっくりと種子スティックからアルガンオイルが抽出されます。

Home.jpgトゥーダルテ コーポラティブで働く女性の家に招待されました。自分で収入を得ることで、子どもの教育だけでなく、大好きなインテリアにもお金を使えるのと笑顔で話してくれました。

Kitchen .jpgそんな彼女のインテリア以外の趣味が食器集め。少しずつ、街で見つけた素敵な食器を買い集めているそうです。自分で働いたお金で自分の好きなものを買う。女性の社会進出が確立していない頃は、そんな当たり前のことができなかったのです。

Lunch at The Cooperative.jpgトゥーダルテ コーポラティブに戻ってランチを頂きました。ラム肉のスパイス煮込み、トマトとミントのサラダ、クミンと一緒に炊いたご飯、港に上がったばかりの鮮魚を蒸し焼きにした魚料理など、たくさんのご馳走でもてなしてくださいました。

Women at The Cooperative School .jpg

トゥーダルテ コーポラティブでは女性の教育も熱心に執り行っています。2015年から継続的にロレアルグループが出資するようになってからは、さらなる機械設備の充実が実現したほか、オンラインショッピングサイトの開設、また託児所や学校が併設され、女性たちが安心して学び働ける場所になりました。女性たちは子どもと一緒に出勤し、母親が働いている間、子どもたちは併設された託児所で学び遊びます。ランチは子どもたちと一緒に食べることができ、また働く時間も個人で決められるので、子どもと一緒に帰宅することができるのです。

ファティマ・イヒヒが出身地の女性に読み書きを教えたい、そんな思いから始まったトゥーダルテ コーポラティブは、今ではアガディールの女性たちの社会的・経済的自立を支援する組織にまで成長しました。2015年からケラスターゼなどを有するロレアルグループが継続的に出資していることで、資金も拡大し、女性たちだけでなく子どもたちも安心して学ぶことのできる場所になりました。共同組合を立ち去るとき、働いていた女性たちが手を止め、大広間に集まって私たちのために歌を歌ってくれました。「女たちよ、立ち上がれ。声をあげよう。私たちの言葉で話そう」という意味の歌を。手拍子とともに盛り上がって行くなか、自然とみんなで一緒に踊っていました。働くことに喜びと誇りを抱いた女性たちに囲まれて。

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