Yoshiko Kris‐Webb Official Blog [クリス‐ウェブ 佳子 オフィシャルブログ]

2014/12/25 (Thu)

DEAR SAINT NICHOLAS

MERRY CHRISTMAS!!

今年のクリスマスはてんやわんやでした。イブの夜、私のいないリビングルームで起きた事件。次女の「パパ、サンタクロースって本当にいるの?」の質問に始まり、そして廊下で聞こえてきた長女の号泣。「いるの?」という無垢な質問には、まだまだ「いるんだよ」って答えて欲しかったんだけど。「ママがいつも買ってる」なんて言ったものだから。

だから今年は、サンタクロースはいなかったと号泣する長女と、その発端を作ったことを後悔して泣いてしまった次女を慰めるために、全てのプレゼントをイブの夜に開けることとなりました。プレゼントを開けながら、次女に「学校で誰にもサンタクロースがいないなんて言っちゃダメだよ」という長女。なんだかなぁ。もう少し夢を見させてあげたかったです。でも、落胆しまくりの主人をよそに、2人は笑顔でプレゼントを抱えてベッドルームに引き上げていきました。

久しぶりに東京で過ごしたドラマティックなクリスマス。違った意味で家族の記憶に残るクリスマスとなりました。気分を変えて、年越しは涙無しで迎えたいと思います。

少し、私にとって難しい話し

k21-1.jpg

金沢21世紀美術館 The image via sminami 

11月2日、久しぶりに金沢へ行ってきました。マガジンハウスが発行するライフスタイル誌「Casa BRUTUS」主催、ボッテガ・ヴェネタ後援のシンポジウムに出席するためです。会場は妹島和世氏西沢立衛氏による建築家ユニットSANAAが設計を手掛けたことでも有名な金沢21世紀美術館。2011年8月にはオープンからの総入館者数が1,000万人を超えるなど、金沢の観光事業にも多大なる貢献を果たしている驚異的な美術館です。

Japan Architects.jpeg

The image via Kanawaza21

今回のシンポジウムは、今秋10月に開館10周年を迎えたばかりの金沢21世紀美術館で開催中の特別展、戦後の日本建築を紹介する『ジャパン・アーキテクツ 1945 - 2010』に連動した一日限りの企画。その主旨は「モダニズム建築が危ない!? 日本の建築遺産をどう未来へ手渡すか?」というもので、パネリストには槙文彦氏(建築家)、松隈洋氏(京都工芸繊維大学教授・DOCOMOMO Japan代表)、森俊子氏(建築家・ハーバード大学教授)の三名が登壇しました。そして日本のモダニズム建築の保全を訴え続けるボッテガ・ヴェネタのクリエイティブ・ディレクター、トーマス・マイヤー氏のメッセージでシンポジウムは始まりました。

パネリスト.jpg

写真左・森俊子氏, 右上・槙文彦氏, 右下・松隈洋氏

今回私が出席したシンポジウムについての詳細は、12月10日発売の「Casa BRUTUS」誌面でも取り上げられていますので、お時間がありましたら是非一読してみてください。

 

 

関心、そして疑問をもつということ

階段席のシートに座り、メモを取りながら聴くというようなことは大学の講義以来。寝不足気味のまま臨んだ私は、その内容についていけるか否か以前に、最後まで起きていられるか、それすら不安でした。

 

私の建築に関する知識といえば、建築家である父の仕事を時々垣間見ては、お酒の呑めない父が長々とシラフで語る建築談議に耳を傾けていた程度。京都の街並保全は素晴らしいなんてことも感じるけれど、いつか訪れたい著名建築物を挙げればキリがないけれど。でも、戦後の日本建築とはなんぞや?モダニズム建築を継承していくその意味とはなんなんだ?それくらいフラットに、頭を真っ白にしてシンポジウムを聴くことにしました。そして皆さんにも同じようなスタンスで、「モダニズム建築が危ない!? 日本の建築遺産をどう未来へ手渡すか?」という提議に、素直に疑問・関心を持って頂ければと思います。

 

 

モダニズム建築とは?

まずモダニズム建築とは一体なんなのかをざっくりと。明治時代から大正時代への移行期に鉄筋コンクリート造という新技術が導入され、日本の建築は飛躍的に進歩します。時を同じくして世界各国、特に西洋を中心に、それまでの豪華絢爛な建築様式や偶像崇拝を取り入れた建築様式から解き放たれた、いわば人々の生活に根ざした現実的な空間作り、合理性・機能性を追求したデザインが建築の主流となっていきます。これがモダニズム建築の始まりです。

Villa Savoye.jpg

写真1:The image via Architect Weekly

では、どのような建築物がモダニズム建築を受け継いでいるのでしょうか。例えば、1931年にル・コルビュジェがパリ郊外に設計したサヴォア邸(写真1)はその筆頭です。1906年にアメリカ建築の巨匠フランク・ロイド・ライトがシカゴ南部に設計したロビー邸(写真2)もまた、モダニズム建築を代表する象徴的な建築物です。

robie-house-by-flw.jpg

写真2:The image via ArtHistoryGalore

 世界共通の現実的、且つ普遍的な建築様式を広めようというコンセプトのもと、モダニズム建築は普及していったわけですが、統一された技術はあったものの、地域独自の伝統に適用した建築、また伝統との兼ね合いが課題となっていきます。時を経て、風土や文化、地盤や環境に合わせてそれぞれの国が試行錯誤を繰り返した結果、国によって異なる手法や装飾が加えられ、特徴のあるモダニズム建築が各国で確立されていきました。

 

 

消える日本のモダニズム建築

戦後の日本建築もご多分に漏れず、モダニズム建築を主流に発展していきます。皆さんの街にも他とは一線を画すモダニズム建築物が少ないながらも現存しているはずです。ここ東京にも代表的なモダニズム建築物が残っていますが、しかしその数は年々減るばかり。

同潤会青山アパートメント.JPG

写真3:The Image via Site Y.M. 建築・都市徘徊

omotesando hills.jpg

写真4:The image via MINOA

 私が上京した2003年から振り返ってみても、同潤会青山アパートメント(写真3)がその一部をわずかながらに残し、ガラス張りの表参道ヒルズ(写真4)に姿を変えています。また東京中央郵便局吉田鉄郎氏 / 1924年・写真5)にいたっては大幅に縮小され、当時の面影が損なわれてしまいました。

東京中央郵便局_比較.jpg

写真5:The image via Wikipedia

 さらに昨年夏には惜しまれる声をよそに、RCによる重量感あふれた外観でモダニズム建築の歴史的作品としても名高いグランドプリンスホテル赤坂 新館丹下健三氏 / 1982年・写真6)が、老朽化や外資系ホテルの進出による競争力低下の影響を理由に解体され、55年の歴史に幕を閉じています。

グランドプリンスホテル赤坂新館.jpg

写真6:The image via Architectural Map

 想像してみてください。あなたの住む街に佇む素晴らしいモダニズム建築物が、経済的な理由、もしくは耐久性・老朽化の問題から、最適なリノベーションを施されることなく短期間で解体され、全く異なる現代建築物に生まれ変わったとしたら。東京都内でいうと、面白みのない様相になってしまった渋谷から原宿までの明治通りのように。私の住む街でいうと、地元の人たちの交流の場であった個人経営の小さな店舗群が、あっという間になんの変哲もない高層マンションに変わってしまったように。

ホテルオークラ東京.jpeg

写真7:The image via Hotel Okura

 そして手をこまねいているうちに、ホテルオークラ東京谷口吉郎氏/ 1962年・写真7)が建て替えられ、神宮外苑界隈と国立霧ヶ丘陸上競技場片山光生氏 / 1958年・写真8)が毎年巨額の維持費を要する巨大スタジアムに変貌してしまう事例のように。あとになって私たちは気付くのです。街並は急激に変化している。文化遺産として価値のある日本のモダニズム建築物がこの世から消えていると。取り返しのつかないあとになってから。

国立霧ヶ丘陸上競技場.jpg

写真8:The image via Japan Sport

 日本のモダニズム建築に対する海外の評価は国内のそれよりも遥かに高く、私たちが指をくわえて街並の変化を傍観しているあいだにも、海外の著名建築家やアーティスト達は、日本のモダニズム建築の逸作が次々と取り壊されていることに深刻な危機感を抱いています。

 

国の豊かさを象徴するモダニズム建築物だけが守られ、そうでない、しかし地域社会に愛され歴史的価値と文化的意義を有するモダニズム建築物が、コストパフォーマンスというフィルターにかけられ、非合理な結論で取り壊されているのではないかと問題視しているのです。声高に伝統工芸の継承を訴える割には、生きた文化財であるはずの戦後日本建築がおろそかにされているというのが事実なのです。

 

本当に街並は私たちが気付かないうちに変わってしまっているのでしょうか。いいえ、そうではありません。気付いているけれど、ただそれらを黙って見過ごし、またその気付きを見過ごされているだけなのです。なぜでしょう。街並の変化は不可抗力だ。手放しにそう思ってはいませんか。

 

私たちが住む街の街並も、一つ一つの建築物も、民意の力で保全し再生させることができるかもしれない。そんな風にもっと積極的に、もっと素直に、自分の住む街の街並に疑問を持って関わることは可能なはずです。デモや講演会、あるいはSNSを通じて、より身近に地域社会への参加を欲求することが可能な時代。結果だけが民意だという見方をすれば肩を落としたくなる時もありますが、しかし様々な角度から民意を表明できる現在の環境が、事実、戦後日本のモダニズム建築の継承を多少なりとも支えているのです。

 

 

#MyMomentAtOkura

instagram_tag_mymomentatokura_bottegaveneta

その多くが継承の危機にさらされている日本のモダニズム建築を保全・継承するために、今回のシンポジウムで後援を務めたボッテガ・ヴェネタは様々なプロジェクトに取り組んでいます。なぜなら、日本の重要文化的遺産の一部でもあるモダニズム建築の継承に尽力することは、伝統に由来した技術と創造性に敬意を表し、それらを未来に託すための長期的なアプローチを重んじるボッテガ・ヴェネタの根本的ブランド理念に通ずると、クリエイティブ・ディレクターのトーマイス・マイヤー氏は考えているからです。

 

日本的建築美の結晶であり、モダニズム建築として文化的価値のあるホテルオークラ東京は、格調とやすらぎある雰囲気を備えた日本におけるホテルの代名詞的存在です。トーマス・マイヤー氏もこよなく愛するこの建築物は、しかし残念ながら2015年に建て替えが予定されています。これを受け、ボッテガ・ヴェネタは#MyMomentAtOkuraという新たなプロジェクトを2014年12月10日に立ち上げました。

 

日本のモダニズム建築に歴史的・文化的価値を見出すことは、私たちが住む街の街並に今後多大なる影響を与えます。これは壮大なプロジェクトでもなんでもありません。いつ何時も、気付き、知り、学び、感じることから全ては始まるのです。失われつつある日本のモダニズム建築を継承していくために、そして個人が加担できるという可能性を体感するためにも、皆さんに是非ボッテガ・ヴェネタの立ち上げたプロジェクト、#MyMomentAtOkuraに参加して頂きたいのです。12月10日からスタートした#MyMomentAtOkuraでは、ホテルオークラ東京で過ごしたみなさんの素敵な思い出をInstgaramやTwitterで共有して頂きます。そしてソーシャルネットワークの拡散力を利用して、日本のモダニズム建築の素晴らしさを世に広める活動を行います。

 

 

<このプロジェクトにご参加いただける方へ>

STEP 1: ホテルオークラ東京の本館を訪れ、ホテルで思い出の一枚を撮影する

(*以前に訪れた際の写真でも可)

STEP 2: 写真に#MyMomentAtOkuraを追加する

STEP 3:ご自身のInstagramアカウントに投稿する

素敵な思い出作りのため、そして日本の美しい街並とモダニズム建築の保全・継承のためにも、機会がありましたらホテルオークラ東京をどうかお訪ねください。失われる前に、皆さんの記憶に日本建築美の結晶を焼き付けてください。

 

 

 受け継ぎ、伝えるという責任

 個性的なデザインや物理的な空間、商業的な利益だけを追い求めるのではなく、将来にわたって子どもたちが心を通わせられる街並を創り上げていくためにも、建築の在り方に対して地域社会はもとより、個人個人が積極的に関わることが未来の子どもたちに対する私たちの責任ではないでしょうか。今回のシンポジウムに出席してそう思い至りました。そして私たちと同じように老いていく戦後日本の建築物に、一層の思いやりを持ちながら、今後の街作りがなされていくことを切に願います。少し、私にとっては難しい話しではありましたけれども。最後まで読んでくださってありがとうございました。

私の知る限り、日本でファッションブロガーという分野に一早く着目し、日本のファッションやコアなカルチャーシーンを国内外に発信し続けているユニット"TOKYO DANDY"。イギリス人のダン・ベイリーはフォトグラファー/アーティスト、沖縄生まれのJOEはスタイリスト/モデル/デザイナー。2人とも古くからの友人で、若い頃は共通の友人と一緒にみんなで渋谷や青山のクラブではしゃいだり、ピクニックをしたり。いつか一緒に仕事をしたいねなんて言いながら、私たちもそろそろイイ大人になりました。

ZaraPictures#1.jpg

7月末。ZARAの新コンテンツPICTURESに日本人初のモデルとして選ばれたことに驚き、すぐさまダンに連絡しました。「写真撮って!」って。PICTURESとは世界各国からモデルやブロガー、アーティストなど男女各5人ずつを選定し、各々が全身をZARAで独自にコーディネートして写真を公開するというコンテンツです。それから5ヶ月間、11月24日の最後の撮影日まで5回にわたって、スタイリングは私、写真はダン、ロケハンは2人で行き当たりばったりという感じで、東京都内や自宅、近所までをも巻き込んで撮影をしてきました。

ZaraPictures#2.jpg

中目黒のリサイクルショップSAI、メキシカンレストランのBAJA新名所のTHE WORKS、愛してやまないバーガー屋GOLDEN BROWN、思いがけない出会いだった81 Gallery、代官山で一番好きな場所の旧朝倉邸、渋谷交差点、代々木の憩いの場でもある代々木VILLAGE by kurkkuなど。

ZaraPictures#3.jpgお互いに多忙な時期だったので、深夜にコーディネートチェックをしてそのままダンには泊まり込んでもらい、翌朝早朝から撮影。太陽のご機嫌を待ちながらリビングのソファで思わず昼寝しちゃったり。

ZaraPictures#4.jpg撮影中に友人にバッタリ会ったり、GOLDEN BROWNでくつろぎすぎて夕日を追いかけて撮影したり。紅葉の美しさやクリスマスのイルミネーションにうっとりしたり。

ZaraPictures#5.jpg全身ZARAでお洒落することの可能性に開眼し、観光客のフリしてダンと一緒にあちこち駆け回り、時には娘たちがハイパーガールとして私たちのモチベーションを上げるためにも撮影場所に同伴してくれたりと、とても素敵な思いでになりました。

ZARA PICTURES YOSHIKO KRIS-WEBB X DAN BAILEY
上と下の写真は特に私が今回のプロジェクトで実際に着用して気に入ったアイテムです。#1〜#5までのPICTURESエディションはZARAの公式ウェブサイトに掲載中です。写真で着用しているアイテムはオンラインショッピングに連動しています。
ZARA PICTURES YOSHIKO KRIS-WEBB X DAN BAILEY
特にこのロングコートとスパンコールのストライプトップがお気に入り。それからZARAのクラッチが優秀なので、年末年始のパーティーシーズンにお役立て下さい。
IMG_2816.JPG THANKS A MILLION, DAN!!!!!!

VERY BLOG

  • MAKIKO’S DIARY Makiko Takizawa Official Blog [滝沢眞規子 公式ブログ]
  • Yoshiko Kris‐Webb Official Blog [クリス‐ウェブ 佳子 オフィシャルブログ]
  • Ricca Channel Rikuka Suzuki Official Blog [鈴木六夏 公式ブログ]